ミュラー/シューベルト作曲「冬の旅」(バリトン独唱:今田陽次)

今回はミュラー/シューベルト「冬の旅」を卒業生の今田陽次さんの歌声によってお届けします。

今田さんは、平成7年に本校普通科に入学、本校の平田昌久教諭の指導のもとで声楽を学び、エリザベト音楽大学宗教声楽コースのご卒業です。

特に冴えない目立たない少年時代。
歌うことでしかほめられた事がなかったよう。
逆に調子に乗って、どんどんのめりこんで
いつのまにか大きくなり、人生の柱になりました。

多くの方に支えられて、歌う仕事を頂きながら
家族6人で楽しく暮らしています。

今田陽次

冬の旅
題名をクリックすると選曲が出来ます。

ドイツ歌曲(リート)の素晴らしさを今田さんは次のように語って下さいました。

ドイツ歌曲(リート)の素晴らしさは言葉を歌うというより、語る様なイメージで歌えることが素晴らしいと思う所です。

そして、ピアニストと共に紙芝居をしている様な感覚になれる点も魅力です。

作品を歌う際、時代背景などから作曲の経緯を探り、詩の内容をピアニストと協動しながら曲を仕上げていきます。思い描く演奏ができた事は少ないですが、良い練習を重ねてステージで演奏した時に、会場が輝く様に見えたり、音が形となって届いていると実感する事ができます。

私は、歌曲を歌う事で人生の喜びを味わう事ができましたが、どんな職種でも同じと考えます。

精一杯努力した時、結果は成功でも失敗でも悔いなく清々しい時間が訪れると思います。
努力は人を裏切らないので、精一杯、高校生活を楽しんでください。

今田陽次

連作歌曲とは、「共通のテーマ」と「モチーフ」によってつながった複数の詩(ツィクスル(Zyklus))に曲をつけたもので、「冬の旅」は第一部が12曲、第二部が12曲の合計24曲で構成されています。1曲はおよそ2~3分で、連続して聴くと70分にもなりますが、「菩提樹」は単曲としても歌われて、今なお世界中で多くの人々に親しまれています。

「冬の旅」は代表的なドイツ歌曲(リート)ですが、ストーリー性が乏しいために理解しにくい歌曲でもあります。ヨーロッパで「ビーダーマイヤー」と呼ばれた時代を、ミュラーとシューベルトらの若者たちは、生きにくさを抱えながら、どのように生きたのでしょうか。

今回の「図書だより」から、今田陽次さんによるミュラー/シューベルトの連作歌曲「冬の旅」を歴史を交えて音と映像によってシリーズでお伝えします。

「図書だより」はこちらです。