文化ウィーク 「蓄音機レポート&ミニ演奏会」

2020年11月4日(水)、文化祭ウィークで図書部による「蓄音機のレポート発表&ミニ演奏会」を行いました。

~机上には参考文献と纏めノート~

まずは、生徒達による模型を使いながらの説明です。

ご紹介する蓄音機は、本校警備員で元警察官の仁井さんが現役の頃より「安全教室」に使用しておられたものをお借りしました。インテリアとしての装飾性も素晴らしいです。

生徒達は、初期の頃の蓄音機が「巻かれたゼンマイが元に戻ろうとする力」を動力源としていた事に驚き、副部長の金崎君は「こういった工夫にものづくりのチャンスがあることを知りました。」と話しました。そしてエジソンが言った「天才とは1%のひらめきと99%の努力のたまものである。」という有名な言葉を思い出したそうです。

蓄音機の黎明期(れいめいき)、職人達はより良い音を出すために、自分の耳をたよりに製品作りに励みました。

演奏曲は、生徒達が好きな「ラ・カンパネラ」(パガニーニ/リスト)と、幻想小曲集より「飛翔」op.12-2(シューマン)の2曲で、ピアノ演奏はポーランドのイグナツィ・ヤン・パデレフスキです。リストのピアノ曲が有名な「ラ・カンパネラ」ですが、原曲はイタリアの鬼才のバイオリニスト、ニコロ・パガニーニの「ヴァイオリン協奏曲第2番・第3楽章ラ・カンパネラ」をアレンジしたものです。カンパネラ(Campnella)とはイタリア語で「鐘」という意味です。

https://www.youtube.com/watch?v=230RgLax-_o

イグナツィ・ヤン・パデレフスキ(P:1860-1941)について
演奏家、作曲家、第1次世界大戦後に発足したポーランド第二共和国の初代首相。
ポーランド貴族の家系に生まれる。幼年期から音楽に興味を示し、12歳でワルシャワ音楽院に進学した。卒業後、母校のピアノ科で教師になるも1881年にベルリンに留学、その後はウィーン音楽院でレシェティツキに師事する。1887年にはウィーンでのデビューも果たした。その後、ヨーロッパで大変な人気を集めるようになり、パデレフスキの輝かしい演奏は大熱狂を巻き起こし、アメリカ合衆国においても賞賛の的となった。第一次大戦中に政治活動を始め1919年に独立ポーランドの首相まで上り詰めた。

(文は「(株)シェルマン・アートワークス様」よりご提供頂きました)

「悪魔と呼ばれたヴァイオリニスト-パガニーニ伝-/著:浦久俊彦」(新潮新書)もおすすめです。

毎年、多くの卒業生でにぎわう文化祭も、今年はコロナの関係で聴衆者10人限定の少人数でのミニコンサートとなりましたが、だからこその文学と音楽のゆったりとした時間を楽しんでいただけたと思います。

最後は仁井さんによる「安全教室」。現役警察官時代の思い出を交えながらのお話で、生徒のみならず、教職員ともども勉強になりました。

来年こそは、大勢の卒業生達に楽しんでいただける「文化祭」が迎えられますように!