ジャパンマイコンカーラリー2019 中国地区予選 決勝初進出

 

工業クラブではマイコンカー製作に取り組み、毎年全国大会を目指して予選に参加しています。

マイコンカーを簡単に説明すると、センサーでコースを感知しプログラムされている内容に沿いながらマシン自らが判断を下し自走でゴールを目指す車輌のことです。

一旦スタートバーが開くと、マシンは持ち主の管理下から離れ自ら走行しゴールを目指すのでハラハラ、ドキドキしながら待つのみとなります。

事前にかなりの時間を掛けマシンを作り、試行錯誤を繰り返しながらプログラムを改良しても完走出来るかどうかは未知数ですので手に汗握りながら待つ時間が一番の醍醐味かもしれません。

 

これまで一生懸命調整したマシンを携え、中国地区予選大会に機械科3年生の高平くんが参加しました。

日差しの都合で看板が・・・申し訳ありません。

 

彼はこれまでに入門部門であるベーシッククラスへの出場をしたことがあるので今年は上級者部門であるアドバンスクラスへの参加となります。

マシンの構造やプログラムも複雑化しているため準備にかなりの時間を費やしました。下校制限時間一杯まで実習工場に残り作業を続けた結果、何とか準備が整い、大会を迎えることが出来ました。

大会会場にて、事前の調整に余念がない高平は時間一杯まで必死に調整を行っていました。

 

っが・・・マシントラブルが発生し起動しません!!これは大ピンチです!!

 

とりあえず学校に持ち帰り点検と修理を行います。しばらく作業をし再度電源を入れると「バチッ!!!」っという音と共にマシンの基盤が発火し炎上!!すぐ鎮火しましたが、マシンは完全に沈黙しました。基盤の一部が欠損したマシンに再び電源が入ることはなく、再起不能状態に陥りました。もはや打つ手がなく、昨年一生懸命作ったベーシックのマシンを使用しアドバンスクラスに挑戦することとなりました。

しかし、3年間の努力は致命的なアクシデントすら奇跡の力で弾き返しました。完走自体難しいものなのですが、手塩にかけたマシンは着実に完走を繰り返し、滑り込みの順位ではありますが決勝へとコマを進めることになります。

顧問やクラブ員も驚いていましたが、誰よりもあっけにとられたのは高平くん本人です。クラブ全体が驚き、動揺しながらもいつも通りメンテナンスをする高平は職人の顔になっていました。

予選では決勝に進出できる順位の最下位で終了した高平くんでしたが、決勝でも安定した走行で完走し、完走19台目で終了することができました。

 予選で決勝に滑り込んだ際の記録表です。一番下に高平くんが・・・

中国大会決勝で19台目という結果より、「地道な努力はどこかで必ず報われる」を実体験できた、そんな大会であったように感じます。